「莉央みたいなへなちょこを真剣に教えてたら、本格的にコーチがしたいと思ったんだよ。」 俺は、照れ隠しで莉央の頭をくしゃくしゃとなでた。 …この癖、全然直らないな。 …直したいとは思わないけど。 莉央は笑いながら頭に手を乗せて、髪型を整えた。 「へなちょこって!先生ヒドイですねぇ。」 「なんだよ、予選落ち♪」 …また、こんな風に楽しく話ができるなんて、思わなかった。