「莉央、…か?」 陽が少し傾き始めた。 逆光で分かりにくかったが、そこに立っていたのは、うちの大学名が入った封筒を持った莉央だった。 「渡先生…。なんでこんなところにいるんですか…?」 あの、離任式の日以来だった。 退職してからは、桃北関係の人と連絡を取ることもなかった。 もちろん、莉央とも…。