「…ああ。3月いっぱいでここを去る。」 「…そんな…。私なんか、渡先生の足元にも及ばないのに…。」 「若いからこそ、あいつらの気持ちを分かってやれる。」 「でも…」 それでも言い訳を続けようとする斉藤に、とどめの言葉を刺した。 「斉藤しかいない。俺は……、水泳部は、斉藤を必要としている!」