「だから、体育教師で水泳もかじっていたお前に水泳部を任せたい。大役なのは分かっている。…けど、俺はお前が適任だと思っているから。」 俺達二人の間を駆け抜ける北風が冷たい。 この空気と同じような、ひんやりとした雰囲気を何とかしたくて、俺は寒空にため息をついた。 「………、本当なんですか?…退職って…。」 しばらくして、ようやく斉藤が口を開いた。