俺は中庭のベンチに腰かけた。 「え?ええ。中学までですけど、スイミングスクールに通っていました。」 俺の様子を見て、後から合わせるように斉藤も俺の隣に座った。 冬休みの中庭は生徒がいないせいでひっそりしていて、不気味なくらい静かだった。 「お前…、水泳部、持ってみないか?」 「……えっ!?」 俺のいきなりの申し出に、斉藤はかなり驚いたようだった。