冬休みに入って。


俺は学校の職員室に斉藤を呼び出した。




斉藤は、新任の体育教師。





教師になって、桃北に来て、半年以上経つというのに、


ほとんどグラウンドか体育教官室にいる斉藤は、まるでよその家にお邪魔するかのようなよそよそしい態度で職員室に入ってきた。







「おーい、斉藤!こっち!!」






冬休みといえども、仕事の終わらない先生達が何人か出勤していた。




静かに仕事に集中するまばらな先生達の中から、俺は職員室に響き渡る声で斉藤を呼んだ。