莉央の瞳がうるむ。 『辞めないで』って、目で訴えているのが分かる。 …でも、もう決めたことだから。 俺のために。 莉央のために。 「どうして…退職、なんですか?」 莉央がやっと絞り出した言葉。 …俺がどうして教師を『辞める』のか、ということ…だな? 「ああ。ちょっとやりたいことがあってな。自分勝手な都合なんだけど。」