俺はきちんと、『夢』にぶつかってない――。






俺自身でなくてもいい。


俺が水泳選手を育てればいいんだ。




そうすれば、かつての俺のデカ過ぎる夢も叶う…。






それに、莉央みたいに泳げないヤツはたくさんいる。




そんな人々に、泳げる喜びを教えていきたい。




水泳は、楽しいスポーツなんだと…。










俺はようやくこんな歳になって、確かな自分の夢を見つけたような気がした。