『好きだからこそ、堂々としてたい』。 その言葉が、俺の胸に響いた。 俺…、何やってたんだろうな…。 莉央に嘘ついて、カマかけて。 姑息な真似したって、莉央も俺も辛いだけなのに。 教職員のテントから、グラウンドをはさんで反対側の救護用テントを眺めた。 宮内先生は小さな身体をせわしそうに動かしながら、ケガした生徒の手当てや、熱中症の生徒の看病をしていた。