「どうした?他にあいつ、何か言ってたか?」 俺はクッキーをかじりながら、下手に演技する。 「いや!全然、何もっ!!」 ワザとらしく否定する莉央。 恥ずかしそうに、顔を真っ赤にして、すごく必死だ。 その様子を見て、今まで俺の心の中にほんの小さなスペースしか取っていなかった『疑惑』が、大きなものになり始める。 莉央は山田を好きかもしれない… いや、 莉央は山田を好きなんだ…。