「ありがとうございます…」





莉央は俺の手からそっとキーホルダーを取って、その輝きに吸い込まれそうになりながら小さな富士山を見つめていた。





その穏やかな莉央の顔。



俺が最初に見つけた美しい宝物だと思っていたのに、もう一人、その美しさに気付いていた人物がいたなんて…。





莉央を見ていると、自然に山田のさっきの発言が俺の頭を回っていた。








「山田から全部聞いた。」




気付くと、俺の口が勝手にそう言っていた。