部室の中をのぞくと、莉央が俺の残して行ったインターハイのお土産のクッキーに手を伸ばそうとしているところだった。 他には…、誰もいないみたいだ。 俺は莉央に声をかけて、部室に置いてあった年季の入った椅子に腰かけた。 莉央と二人きりになるのは、富士山の時以来だろうか…? 久しぶりの感覚で、心がくすぐったい。 とりあえず俺は、莉央に富士山のキーホルダーを渡した。