「渡せんせーーい!!」






桜が散って、葉桜の木が揃いだした4月。




ある晴れた日の昼休み。




俺は県立桃川北高校、通称「桃北」で数学教師をしている、渡崇史(わたり・たかし)。




コンビニ弁当を食べた後、喉が渇いたからジュースを買おうと思って、自動販売機に向かっていた途中。




2年の男子集団に声をかけられた。