「…すみません。俺が付いていながら…」 うっかり感情のまま話してしまったら、森田が申し訳なさそうに俺に謝ってきた。 …いや、今は愚痴ってる場合じゃない!! 「とりあえず、橋本を先に下ろそう!」 そう、俺は水泳部の顧問だ。 するべきことがたくさんある。 まず、丈夫そうなジャンパーと木製の登山用の杖で、即席の担架を作った。 それに橋本を乗せて、前を森田、後ろを山田が持って、この担架隊を先頭に下山することにした。