何となく頭の中に出てきた言葉を、そのまま口にした。 石碑を見上げて―― もう一度莉央の方を向く。 「莉央がいたから登れた。」 今の俺には、莉央にこれを言うのが精一杯。 『好き』なんて、言えるわけない。 だから、せめて―― 俺の気持ち、受け取ってくれ。