9合目を過ぎてから、登山客の列ができ始めた。 この人たちの目的と、俺達の目的は、一緒。 頂上にたどり着きたい たった、それだけ。 なのに、なんでこんなに遠いんだ? ちょっと上を向けば、頂上はすぐに見える。 だけど、人の波が邪魔をして、全然前に進めない。 人がこれだけいることに驚きといらだちを感じていたが… 不意に、これだけの人にのまれたい気持ちになった。 このまま、俺が高校教師であることを忘れられたら… そしたら、莉央をさらえるかな?