「莉央、泳げたな!」 俺は、自分ができる精一杯の笑顔を莉央に向けた。 そして、俺は莉央に右手を差し出した。 全ての力を使い果たして泳ぎ切った莉央に、『プールサイドに上がる力』をご褒美としてあげた。 俺の力でプールサイドに上がった莉央。 少しはにかんだように見えたが、すぐにその顔を下に向けた。 だけど… 今日は、莉央の笑顔が見たかった。 避けられてもいい。 俺が、莉央を褒めたいんだ。 「莉央。」