****** セミが鳴り響き、入道雲が空を駆け上がるように頭を伸ばしていた… あの暑い夏。 小学校2年だった俺は、無我夢中で市民プールで泳いでいた。 ただ、身一つで自由に移動できる楽しさ。 水の中の世界が不思議で、冷たくて、気持ちよくて。 手を動かせば、足を動かせば…、 それに伴って自分の体が勝手に動く。 どうすればもっと速く泳げるのか… それを探るのが楽しくてしょうがなかった。