「渡先生の水泳部は、順調そうですね。何てったって、エース・一色がいますもんねぇ。」



「いや…まあ…、あいつは心配ないけど、1年はまだまだ発展途上ですから…」



「ははは。それはどこも同じですよ。うちの柔道部だって、市レベルも怪しいやつばかりですから。」





井上先生は、その大柄な身体でガハガハと笑った。




職員室は最近の省エネ対策で、扇風機が計4台起動しているだけ。




どんなに窓を開けて『強』で回していても、井上先生の顔は汗まみれになっている。





「ところで渡先生って、生徒にモテますよねぇ?」



「…え?」