でも、それは俺の中の微かな疑惑でしかない。 俺はその小さな疑惑を打ち消すように、いつも通り明るく振る舞った。 「でも莉央はとりあえず自分の泳ぎを心配しろな。早くプールに入るっ!」 俺は莉央の背中を軽く押した。 ところが油断していた莉央は、そんな軽い力ももろに受けたみたいで、滑りそうになっていた。