あんなに部活に燃えていた川崎が、珍しく休んだ。




仕方ないから、莉央と山田だけで1年の特訓を開始する。




とりあえずいつも通り体操とウォーミングアップをするように言って、俺は試合が近い2年3年の練習コースに向かった。






「あ、渡先生。ちょっと俺の泳ぎ、見てもらってもええですか?」




俺が近付いたことに真っ先に気付いた2年の瀬戸(せと)が、話しかけてきた。




小さい頃に大阪に住んでいたらしい瀬戸は、高校生になっても未だに綺麗な関西弁で話していて、それが目立つ特徴だった。