翌日約束通りに部活に顔を出した。
そして、今までの描き溜めていたデッサンやクロッキーなどを幸ちゃんに見せた。
その時の幸ちゃんの反応はなかなか良いもので、
そのお陰か、これまでサボっていたことは何も注意されることはなかった…。
「人物の描写がすごく良くなってるわ。予備校でも通ってたの…?」
「いや…、そういうわけでもないんですけど…。
直接指導してくれる知り合いがいて……」
幸ちゃんの言葉に俺はそんな風に答えた。
認めたくはないけれど、おっさんのお陰で絵の方は随分上達したとは思う。認めたくないけど…。
「こんにちは〜!
あ!優斗先輩やっと来たんですね〜!!」
幸ちゃんに絵を見せていると、美術室に入って来たユリが俺を見るなり相変わらずの様子で声を上げた。
「もしかしてそれってぇ、先輩が描いた絵ですかぁ?」
「そうそう。すっごく参考になるから、ユリちゃんも見なさい」
「は〜い!」
と、幸ちゃんに言われて、ユリも一緒になって俺の絵を見る。
すると突然
「わぁ〜!可愛い〜〜!!」
「この子、超可愛いです〜!!」
と、クロッキー帳を見ていた幸ちゃんとユリが2人同時に大声を上げた。
なにごとかと俺も見ると、そこは晶を描いたページだった。