家族ごっこ



「ゆゆゆゆゆ、優斗っ!!

は、はよ止めに行けぇっ!!」


おっさんが慌てて声を上げる。

俺も反射的に走り出した…。



「こらぁっ!!なにやっとんのやぁぁっ!!」


駆け出す俺の後を追うように、おっさんも後ろから走って来てそう怒鳴り声を上げる。

俺とおっさんに気が付いたのか、揉み合う2人はこちらを見た。



「晶っ!!来ちゃダメぇっ!!」


突き落とされそうになっていた女の人が、晶ちゃんを見てそう声を上げる。

すると、その隙に突き落とそうとしていた女の方が、どんっと勢いよくその人を押した。


ぐらっと、押された方の女の体が橋から乗り出す…。


「おかあさんっ!!!」

晶ちゃんが泣き叫ぶように声を上げる。


俺はあまりの光景に声も出ない。

ただ必死に走った。