家族ごっこ



「じゃあ、お家に帰ろう。送ってくから」

「でも、おかあさんとやくそくしたもん…」

「約束破って怒られたら、俺も一緒に謝ってあげるから」

「ほんとう…?」

「うん」


俺が頷いて応えると、晶ちゃんも納得したように頷いた。

そうして、おっさんと俺で晶ちゃんを家まで送っていくことになった。


おっさんが晶ちゃんを肩車して、その横を俺が歩いて…と、なんとも不思議な3人組の出来上がりだ。


「それにしても、お母ちゃんどうしたんやろうなぁ…」

「んー、なんかあったんだよな。やっぱり…」


子どもを放っておくなんてよっぽどのことがあるのだろうかと、考えて不安になる。

するとそこで晶ちゃんが声を上げた。


「おかあさんいたーーー!!!」

と、勢いよく前方を指差す。


言われて俺とおっさんが指差された方を見る。

指差された場所は橋の真ん中。

そこには2人の女の人。



え?どっちがお母さん?

と、疑問に思ったのも束の間…


その2人のただならぬ様子に驚愕した。


修羅場の最中というかなんというか…

一方の女性が、もう一方の女性を橋から突き落とそうとしていたのだ。