「新しく付けるから、おとなしくしてな」
「へっ!?」
言って神菜の肩を掴み、彼女の首筋に顔を近づけた。
前と同じように…。
しかし、神菜の反応は以前とまったく違ったものだった。
「……っ、やっ!!」
神菜は小さく悲鳴を上げて、俺をどんと突き飛ばした。
一瞬、なにが起こったのか、わからなかった。
突然のことにただ呆然となった。
「……ごっ、ごめん!! 優斗っ!!」
神菜が慌てたように声を上げる。
「…いや、俺もいきなり悪かった…」
そう言って、なんでもない風に返したけれど、お互いになんとなく気まずい雰囲気になる…。
「ほんとにごめん…。
びっくりしちゃって…」
と、神菜がそう言ってもう一度謝る。
「いや、俺もマジで悪かったから…」
本当に申し訳なさそうな顔をして謝る神菜に、俺の方がなんか申し訳なく思い、謝り返した。
すると神菜がまた謝って、それに俺がまた謝り返して…
と、そんな謝り合戦を繰り広げ、昼休みが終わってしまった。
教室に戻る時も、神菜は表情は暗いまま。
「これ、お詫びな」
そう言って俺はポケットの中にあった飴玉を神菜にあげた。
今朝、キヨばあちゃんにもらったやつだ。
すると神菜はやっと笑顔を取り戻してくれた。