「…次やったら、ただじゃおかないから」


教室に入ると、すぐさま神菜が飛んできて、俺を脅すようにそう言った。

まぁ、当然の反応だ…。



「すみませんでした…」


俺はそう言って深々と頭を下げた。

内心かなりビクビクしていて、泣きそうだった。…俺ってこんなにヘタレだったけ?



俺が頭を下げると神菜は満足したようで、険しかった表情は素に戻った。


しかし、その直後…

彼女の頬に流れる涙があったのだ… 。



「 うわっ!?

本当にごめんって!!俺が悪かったよ、泣くなって!! 」


初めて見た神菜の涙に俺はどうしようもなく狼狽えた。

慌ててそうなだめようとするが、そんな様子もクラスメイトに茶化される


「おいおい、優斗ー!朝から痴話喧嘩してんなよ~」

「神菜ちゃん泣いてんぞ~!」


そう茶化すクラスメイト2人に俺は「うるせぇよ!」と、柄にも無く大声を上げて一蹴する。



「神菜、向こう行くぞ」

俺はそう言って神菜の腕を引いて教室を出た。