その翌日は、おっさんの家の修復を手伝いっているうちに一日が過ぎていった。
…そして、月曜。
学校へ向かう俺の足取りは重い。
出来ることなら学校へ行きたくない。神菜と顔合わせるのが怖い。気まずい……。
そんなことを思ってゆっくり歩いていると、近所に住んでいるキヨばあちゃんに声を掛けられた。
「優ちゃん、おはよう」
「あ。キヨばあちゃん…、おはよう」
「今日はゆっくりなのね。寝坊でもしたの?」
「まぁ…、そんな感じ…」
俺は誤魔化すようにそう言った。
学校に行きたくないだけなのだが、そんなことを言ってキヨばあちゃんを心配させるわけにはいかない。
俺の言葉におばあちゃんはゆっくり笑った。
「いってらっしゃい。気をつけてね」
「うん。いってきます」
飴玉を1つ貰った。
キヨばあちゃんはよく飴玉をくれる。
俺には本当のおじいちゃんやおばあちゃんはいない。そのせいか、物心ついたころからそういう存在に凄く憧れていた。
だから、キヨばあちゃんは俺にとって本当のおばあちゃんのような存在でもある。
俺はキヨばあちゃんにもらった飴玉を口に放り込んで、学校に向かった…

