とりあえず用意していたミルクティーを神菜に出し、俺も自分の飲み物を出そうともう1度冷蔵庫を覗いた。

すると、見覚えのないボトルが一つ。


ミルクティーの影に隠れていたそれを取り出してみると、

それはイチゴ味のプロテインだった…。



なんでこんなものが…?

入れた覚えのないそれに少し困惑したが、おっさんの仕業だろうと予想がついた。


きっと俺へのあてつけなのだろう…

それにしても意味不明すぎる……。



なんとも釈然としない気持ちとプロテインを抱えたまま、俺は神菜の横に腰を下ろした。


プロテインを飲む俺を神菜がぽかーんとした表情で見る。

なにか言いたそうな彼女からの視線を逸らし、俺は用意していたDVDを再生した。



内容はベタな学生恋愛もの。

そのベタすぎる展開に、エンドロールが流れ出すと神菜は画面に向かって「……つまんない」と呟いた。



「俺もそう思う……」


俺がそう言葉を返すと、

「あんたがチョイスしてきた映画じゃないかっ!」と言うような視線を向けられた。


…そんな視線を逸らし、俺はもう一つの方のDVDを再生しようとした



「……次は、こっちな」

さりげなくそう言いつつ、入れ替えたDVDを見て神菜が悲鳴を上げた。



「はぁぁっ!?……なんでAV!?」


「……なんでって、実物観た方がリアルだろ?」


神菜の言葉に俺は、さも当たり前のことを言うように応え、再生ボタンを押した。
本当はただ面倒臭かっただけなのだが、それは言わないでおくことにする。



「まさか、さっきの映画も!?」


「あぁ。あんな感じで、"ヤりました"ってことにする」