「…ていうか、おっさんこそなにしてんだよ。そんなにダンボール集めて…
…まさか、ダンボール喰う気なのか…?」
「あほかっ!!そんな非常識なことするわけないやろ!!」
俺の言葉におっさんは怒鳴り声を上げた。
生活態度そのものが非常識極まりないくせになにをそんなに怒るのだろうか…
「これでマイハウス作るんや。
…誰かさんのせいで寝る場所なくなったしなぁ」
「人を悪者みたいに言うな。
ていうか、ダンボールでマイハウスって…」
…おっさんがダンボールでマイハウスを作るという言葉に、俺は小学生のころ夏休みに北野と作ったダンボールの秘密基地を思い出した。
完成してからものの3日で台風により飛ばされたという切ない記憶が蘇り、少し悲しくなった…。
「…まぁ、そういうわけや。
もうお前になんか頼らんから安心せぇ」
「ああそう。俺も清々するよ」
おっさんの言い草にムッとなった俺はそう冷たく返した…。

