神菜との恋人ごっこが3ヶ月目になろうとしていた…。


一緒に帰るのが当たり前となったある日、

帰り道で、神菜が思い詰めた表情で俺に話し掛けた。



「……あのさ、もう付き合って3ヶ月ぐらいだよね?」

「……。もうすぐ更新日?」


神菜の言葉に俺はそう返した。

すると彼女は小さく頷いた。



俺たちの言う"更新日"とは、

デートとかキスとか、恋人ならするであろうことをしたということにする日のことだ。

その更新日の話を切り出そうとする神菜に俺は、

「あとで電話する」

と、だけ言って会話を終わらせた。

こんな道端では、誰かに聞かれてしまうかもしれないからだ。



その言葉通りに神菜に電話すると、

神菜はとんでもないことを話し出した。



『もうすぐセックスの段階だと思う』


「……っ!?」


神菜の発言に俺は驚き過ぎて声も出なかった。


きっと今の自分の顔は酷い間抜け面だろう…

電話で良かったと心底思った。