「でも、俺こんなの買えるほど金もってないけど…」


「何言うてんねん!

冷凍庫のなかにごっつう溜め込んでたやろ」


「いや、あれは俺のじゃなくて…


…って、えぇっ!?

まさかあの金使ったのか!?」


「使うたで?あかんかったか?」




「………ははっ」


あっけらかんと答えるおっさんに、俺は力なく笑って床に座り込んだ…。

あきらかに意気消沈しきっている俺に、さすがのおっさんも慌てた様子を見せた。


「なっ、なんやねん!?

そ、そんな大事な金やったらなんで冷凍庫なんかに置いとんねん…!?」


勝手に使ったことはさておき、おっさんの言うことももっともだった。

普通、大金を冷凍庫になんか仕舞っておいたりしないだろう…。