おっさんが持ち込んだAVは、そのまま俺の部屋に置いていかれた。
容赦なく捨てたが、捨てる度に新しいAVが置かれてしまうので、仕方なくそれを棚に置いておくことにした…。
一つ許すと、おっさんは調子に乗り、
いつの間にか
一つ、また一つと、おっさんの私物が俺の部屋に持ち込まれるようになった。
…部屋を乗っ取られる危機感を感じる今日この頃、
学校から帰ると、俺の部屋にまた一つおっさんのものが増えていた。
「なんだこれ…」
「絨毯に決まっとるやん!」
床には高そうな絨毯が敷かれていた。
「すげー。
高かったんじゃないの?」
「確かに高い買いもんやったわ〜
せやけど、せっかく優斗が買うてくれるんやし、おっちゃん奮発したわ!!」
にこにことそう答えるおっさん。
日本語がおかしかったように聞こえたのは気のせいだろうか…
「…誰が買うって?」
「自分や、自分。
こないだ約束したやん」
おっさんの言葉に、先日絨毯を買ってやるという約束を思い出した…。