「北野が気にすることじゃねーって」


そう言ってやると、奴はすぐに安心したように笑った。


「まっ、それだけ優斗は神菜ちゃんを愛してるって事だよなー」


「うるせー」


更に茶化すように言われ、俺も笑った。



「そんな優斗君に、お姫様の居場所教えてやるよ」

もったいぶった言い方に、早く言えと急かすと、

北野はさらっと思いもしなかったことを口にした



「神菜ちゃんな、コンビニ行くって学校の外に出てったよ!!」


「は?外に!?」



体育祭の最中になに考えてんだあの子は…。

マイペース過ぎだろ……



そう思いながら俺は北野に礼を言って、学校の門を出た。



…すると、


「あ!優斗どうしたの?こんなところで」

学校を出てすぐの道で神菜と鉢合わせた。

彼女は歩きながらコンビニで買って来たであろうアイスを食べていた。


「どうしたのじゃないだろ。1人で外に出たら危ないだろ」


偽彼氏とは言え、神菜の友達に彼女を頼むと任されたのだ。1人にしてなにかあったら困る。

そう思う俺の言葉に、神菜はへらっと笑った。



「まだ昼間じゃん。


優斗って、結構天然だよね」