「…その言葉、信用してもいいんだよね？」


「…も、もちろん」


半ば強引に頷かされた。

すると、それを見た２人は、同時に俺に対し頭を下げた。



「「神菜をよろしくお願いします！！」」


またしてもこの思いもしなかった２人の行動に、俺はポカンとなった…

そんな俺に対し、藤崎さんがゆっくりと語り始めた……



「神菜ね、中学の頃イジメみたいなのに遭ってたの…」


「…え？」



神菜がイジメに…？

なんでそんなこと……


話が全く理解できない俺に、彼女たちは一から説明し出した……。


「イジメって言うか、嫌がらせみたいなものかな…

アタシも由夏も、神菜とはクラスは違ってたし話しもしたこともなかったし、よく知らないんだけど……」


「神菜の家のお隣さんにね、カッコいい高校生のお兄さんが居てね、

そのファンの人たちから一方的に恨まれてたみたいで…、


神菜が高校に上がるころにはそれも無くなったみたいだけど…」


「高校に入ってアタシたち神菜と友達になって、その時のことが心配でね、ずっと神菜と一緒に居たの」


「まぁ、ちょっと神菜に引っ付き過ぎちゃった気もするけどね…」



彼女たちの話に、俺は神菜の憂鬱の原因がわかった気がした。


過保護な彼女たちの想いを知らなかったせいだ。

なにも知らなかったから神菜は彼女たちを鬱陶しいと感じてしまったのだ。


ちゃんとお互いに話していれば、恋人ごっこなんてことも考えなかっただろうに……