あの日以来、

飯をたかりに俺のもとに来るおっさんは、飯代と称して俺にあれこれ描き方の指導をするようになった。


その的確な指導に、このおっさんは本当に何者なのかと俺はいつも不思議に思う…




「…なぁ、おっさん、

あんた本当に何者なんだよ…」


「せやから、この公園の主や。何度も言わすなボケ」


「主って、なんだよ…。

公園に住み着くホームレスの間違いだろ…」


俺がそう言うと、おっさんは俺の頭を思いきり叩いた。





「アホかっ!!

わしがこの公園に住み着いとるおかげで、この公園はキレイになってんやで!!


遊具のペンキ塗ったり、ゴミ拾たり…

全部わしがやっとんねん!もっと敬え!クソガキ!!」


「………」



なぜか叱られた…


…ていうか、

遊具のペンキ塗りとかって、市役所とかの仕事じゃないのか…?



叩かれた頭をさすりながら俺はそんなことを考えたけれど、

目の前のおっさんは尚も怒っていて、そんなことは言える雰囲気ではなかった…




…しかし、

怒っているかと思いきや、


次の瞬間には…



「 …なぁぁな、

そろそろ飯の時間とちゃう?」

と、甘えた声で俺に飯を強請ってくるのだった…。


「……」


本当に、このおっさんは謎だ……