「ていうか、おっさんなんで居るんだよ」


俺は話題を変えるようにそう声を上げた。
公園に戻ったはずのおっさんがちゃっかりまたキヨばあちゃんの家に居たからだ。

かく言う俺はキヨばあちゃんに夕食に招待されたから学校帰りにばあちゃん家に寄ったのだ。おっさんもそうかと思えば、夕食を食べに来ただけとは思えない。なぜならお泊まりセットを持参していたからだ。



「自分、夕方のニュース見てへんの?」

「は?」


俺の言葉に、おっさんはテレビのチャンネルを回しながら答えた。

夕方のニュース?



なんのことかと思っていると、おっさんが止めたチャンネルであるニュースが流れてきた。


『本日夕方、○○市内の高校職員が原因不明の腹痛により救急車で運ばれる事件がありました。消防は食中毒の可能性もあるとみて……』


そんなアナウンスと共流れてきた映像にぎょっとなった。

なぜなら自分の学校がそこに映されていたのだから……。



「これ、お前んとこのガッコやろー?怖いわー」

「うそ、なにこれ。知らないんだけど」

「お前がちょうど下校したあたりやな。時間的に。


やー、怖いわー。食中毒怖いわー。

わしも拾い食いしてそうならんようにな、もうしばらくばあちゃん家で世話なることにしてん」


もっともらしくそう話すおっさんに、もう呆れるしかなかった。