神菜との恋人ごっこが解消になった。
"いるよ。……好きな人"
神菜の言葉が頭から離れない。
別れて1日経った今でも、思い出してイライラする。少なからず神菜に好かれているのではと、そんな自惚れを抱いていた自分自身に。
「イラついとんなー」
「うっさい」
おっさんがニヤニヤして言う。その顔も憎たらしくてイライラする。
「なになに?優ちゃん彼女と別れちゃったの?」
「わかれちゃったのー?」
なぜか楽しそうなキヨばあちゃんと晶も会話に混じる。なんか二人ともノリが女子高生みたいだし。
別れたといっても、恋人ごっこが解消になっただけ。今日だって普通に話したし、友達に戻っただけだ。
と、あれこれ言い訳がましく考えて少し虚しくなった。