家族ごっこ






「なんで優斗にそんなこと言われなくちゃいけないのっ!?」



俺の言葉に神菜はそう大声を上げた。

その言葉には、俺だけじゃなくクラス全体が驚いたようだった。


しんと静まり返った教室。

集まる視線…。




「すみません。ちょっと出てきます」


考えるより先に、俺はそう口を開いていた。

俯く神菜の腕を掴んで席を立って教室を出ようとする。



「ちゃんと仲直りして来るんだぞ」

担任の先生が俺たちに向かってそう言ったのが聞こえた…。