あの神菜に限ってそんなことはないだろうと思いつつ、

一度そんな結論が出てしまうと、もうそうとしか考えられなくもなる…。



混乱する頭を抱えながら教室に戻ると、

そのすぐ後に神菜が教室に入ってきた。





本人の顔を見れば、どことなく疲れたようなそんな表情をしている…。

目元とか潤んで見えるし……。





…いやいやいや、

これはきっとあれだ。

一週間ぶりだし…、なにより病み上がりだしな……。


と、本人でもないのにそんな言い訳をしてみる。




そんなことを頭のなかで考えていたら、神菜と目が合った。



こんな時どんな顔すればいい…?

これまで俺はどんな顔で彼女と接していた…?



ばっちり目が合って、

視線を逸らすのも、なにも声をかけないのも不自然な状況。






とりあえず笑って声をかけてみた。



「おはよ、神菜。熱、もう平気か?」