そんな風に感じるなんて
本当に俺は神菜の事が好きなのかもしれない…
そう自覚させられてしまう…。
…こうなったらいい加減、潔く好きだと認めてしまえ。
そう思うものの、俺としては酷く複雑な思いを抱えているためにやはり素直に認められない。
そんな葛藤の繰り返しばかりだ。
「おーい、なに朝っぱらから溜め息なんて吐いてんだよ」
思わず零れた溜め息に、北野がそう言って話し掛けてきた。
「さてはさては、神菜ちゃんいなくて寂しいんだろー？」
にやにやとそう茶化してくる北野。
そう言って肩に回された奴の腕を振り払う気力もなく、俺は北野の言葉をただ適当に受け流していた…。
…そんな最中、
幸か不幸か、ユリが現れた。
