乱樹(らんじゅ)の香り

「どうぞ」

カイラが答えた。

麗は目をそらせた。

「じゃ」

行って、帰ることにする。

「待ってなくていいの?」

カイラの声がすぐ後ろでした。

「どうして?邪魔だもん」

「タカトシに惚れてるんじゃないの?」

「そうだけど」