「麗?」

ドアが、大きく開き直す。

「オレ、麗のこと嫌いな訳じゃないから」

麗は、顔を上げた。

もう少し、なにか言いたげな、兵庫がいる。

高熱なのに、ずっと立たせてていいのかな。

一刻も早く、座るか寝るか、したいハズ。

「入っていい?」

訊いてみた。

兵庫は固まった。

そして、じっと麗を見ると、黙ったまま、ドアを押し開ける。

背中でドアを押さえて、麗が通れるようにしてくれる。

「ありがと」