「ごめん」

「って、麗があやまってどうする」

「…そうだね。そうだ。タカちゃん、熱あるんだって?」

兵庫は困った顔をした。

けれど、頭を突き出して、

「触ってみれば?」

麗の心臓が急に暴れだす。

手が震える。

けれど、額に触れてみた。

熱い。

高熱って『燃えるように熱い』っていうけど、本当だな。

「寝てなくちゃ、ね」

麗は後ずさりした。

「ありがと。来てくれて」

「しんどいときにごめんね」

兵庫は、ドアを閉めかけた手を、止めた。