乱樹(らんじゅ)の香り

※ 

麗はぼーっと何もない空間を見ていた。

「どしたの?麗。幸せそう~な顔して」

麗は、顔を赤らめた。

「変な子ね」

慧は、それ以上麗にかまわずに、隣に座る。

「ねえ、この際、兵庫なんか忘れて、誰かさがしなさいよ。

どうせ進展ないんでしょ?」

麗は首を横に振る。

「ダメ。タカちゃんがいい」

慧は、深々とため息をついた。

慧は変わらないんだな。

と、麗も吐息をついていた。