麗は、たっぷり数秒、瞬を見つめ返した。

「それで?」

「・・・オレちょっと兵庫のことが羨ましくなって」

「タカちゃんが羨ましいの?」

「うん。麗に好かれて羨ましい」

「あ、そう」

「・・・いや、これは本当なんだ。

オレも、麗みたいに、一途~に想われたいなって」

「一途~で、彼女がいるヒトしか好きにならないっていうヒトに想われたいわけね」

瞬は一瞬考えた。

「もしかして、麗、兵庫に聞いた?」

「あたしのこと、そういう人間だって、タカちゃんに吹き込んでたんだってね」

そんなことがあったらしい。

瞬も結構陰で邪魔してくれてたわけだ。