「…お母さん、嬉しい。」
「え…?」
そんな顔して、喜んでくれてるの?
「光聖くんがいなくなって、聖が生まれて。
和歌の人生はこれでよかったのか、凄く不安で。
…でも、泉くんが幸せにしてくれるのよね?
光聖くんを正直越せるような人は、現れない気がしてたから。
こうして素敵な泉くんが和歌と聖を貰ってくれるんだもの。
嬉しいよ。
泉くん、ありがとね。
2人をよろしくお願いします。」
「はい。
俺、光聖くんに勝つなんて、ちょっと無謀な気がしますが…
イイ男になれるよう、頑張ります。」
そう言いながらも、自信に溢れている泉は、やっぱりいい人…
それがお母さんにもわかって、『ね?』いい人でしょ?とアイコンタクトすると、『うん』って返って来た。
ありがとう…お父さん、お母さん。
こうして、暑い夏の日…
私と聖は窪田家の一員となった。


