何が何だかよくわからないけど…


「ぃ、行かなきゃ…」


そう思ったって、足が動かない。



「…っ」

動かなかった筈なのに、いつの間にか違う場所に来ていた自分に気付いた。
目の前には私の大好きな人がいる。



「いや~」
「おい!大丈夫か?」
「救急車、救急車!」
「早く、電話!」



周りは騒いでいる中、私は光聖に近づく。
倒れている光聖の横に座り、手を握る。




「光聖。光聖…!」


光聖は目の前に居るのに。
手を握りながら名前を何回呼んでも、返事をしてくれなかった…