「…じゃあ、生まれ変わったら…。
生まれ変わったら、今度はあの人より早く、俺がお前を見つけ出してやるよ。」


『ダメだよ。』


そして一呼吸置き、千里は言葉を続けた。


『…マツは、今度はあたしの子供として生まれて来るんだよ。』


「―――ッ!」



…子供…?



『…もしマツがあたしを見つけてくれても、それは他人でしかないから。
だからマツは、今度はあたしの子供として生まれてこなきゃダメなの。
そしたらあたしは、他の何を差し置いてもマツを愛してあげられる。
たとえ嫌われても、あたしはマツに愛情を注ぎ続けるんだよ。』


「―――ッ!」



そんなこと、考えてもみなかった…。


俺は次に生まれ変わったら、千里に愛されることが約束されてるのか…?



「…それって、すっげぇ最高だな…。」


『でしょ?
だから、約束しよ?』


「…すっげぇマザコンになっても良いの?」


『良いよ。』


クスッと笑った千里は、俺に向き直った。


そして、約束のキスを交わす。


星空と地上の輝きに見守れら、まるで全てに祝福されてるみたいだ。



過去とか現在とか未来とか、全てを超越して約束するよ。


何が何でも、お前のところに生まれてやるよ。



『…泣かないでよ…。』


「…泣いてねぇよ…。」



だけど俺は多分、泣いていたんだと思う。


嬉しくて、悲しくて…。


もぉ、何も分からなかった。


ただ愛しくて…。


だけどもぉ、手放すことは怖くない。