だけどまぁ、多分お前には全部、バレバレだったんだろうな。


大袈裟なことなんてやっちゃってる俺だし?


お前の笑ってる顔が、堪らなく愛しいと思うんだ。



でもお前は、何を考えていたんだろうな。


お前は俺なんかとは違って、嘘なんか得意分野だし。


俺なんかじゃ、見抜くこと出来ねぇだろ…?





『…馬鹿だね、マツは…。』


思い出し笑いを堪えたような顔で、千里は言った。



「ハッ!うるせぇよ。」



馬鹿なのは、お前の方だろ?


こんなに近くにお前を想ってる男が居るんだから、流れちゃえば良いのにさ。




「…今年のクリスマスは日曜だしさ、どっか連れてってやるよ…。」


窓の外には、雪が深々と降っていた。



『…楽しみにしとくよ…。』


千里も同じように窓の外を見つめ、少しだけ笑った。



沈黙が嫌だっただけなんだ。


雪を見れば、お前は隼人さんのことを考えるから。


だから、言葉を並べたんだ。



「遠出も良いよなぁ~?
お前月曜休みだし!次の日辺りまで余裕だろ?」


『―――ッ!』


その瞬間、千里の顔色が変わった。



『…ごめん…。
12月26日は、一人で過ごしたい…。』


伏し目がちに言う千里に、胸が苦しくなる。



「…そっか…。」



あぁきっと、隼人さん絡みだろうな、って。


それくらいなら、俺にだってわかるから…。


それ以上は何も言えなかった。