粉雪2-sleeping beauty-

「…お前一人で…背負ったんだな…。」


千里の髪を、手櫛で梳いた。


滑り落ちるように、俺の手から離れていく。


本当に、お前そのものだ…。



『…大丈夫だよ…。
もぉ…慣れちゃった…。』


「―――ッ!」



…そんなの…


慣れたらダメだろ?


全然“大丈夫”じゃねぇだろ…!



「…我慢…してんじゃねぇよ…!」


『…してんのかなぁ?
わかんないよ…。
だって、これが“あたし”じゃん?』


「―――ッ!」



笑うなよ…!


泣けば、抱き締めてやれるのに…。



「…弱音とか…聞くのが俺の役目なんだろ…?」


『…バカ嵐が言ったんだ…。』


“困ったね”と言いながら、千里は言葉を続けた。


『…マツと話してるだけで、元気になれるから…。
それだけで、十分だよ…。』


「―――ッ!」


『…マツが“泣いたりすんな”って言ったから…。
どーしたら良いのか、わかんないんだ…。』



“泣いたりすんなよ、ウゼェから”


俺は千里から、泣くことすらも取り上げていたのか…。


泣けるのは、俺の前だけだったはずなのに…。